この記事では、飲食店や自宅で作った料理などを撮影する際の構図やカメラの設定についてまとめようと思います。
私は普段からよく料理写真を撮っています。美味しそうな料理写真は構図や演出、カメラの設定が重要です。
この記事では、こんな悩みに答えます。
- いつも同じアングルや構図の料理写真になってしまう
- 余白が多すぎて、演出もなく寂しい写真になってしまう
- 料理写真に動きがなく平坦な写真になってしまう
料理写真のポイントと考え方
最も基本的なポイントは、他人の良い写真をたくさん見て気に入った写真を真似ること。また、基本的な考え方は様々な要素を駆使して撮影することです。
気に入った写真を真似る
気に入ったりおしゃれだなと思う写真の構図・角度・背景・影などのコントラストを真似ましょう。PinterestやPHOTOHITOなどのサイトを良く見ています。
特にPHOTOHITOには写真には、ISO・シャッタースピード・F値や焦点距離などの情報が記載しれている為、とても参考になります。
様々な要素を工夫して美味しく撮影する
料理写真では『構図・アングル・演出・光・カメラ設定』などを調整し、料理を・・・
- より美味しく
- より鮮やかに
- より彩り良く
- より新鮮に
撮影する為に工夫します。
また基本的には、「料理写真は半逆光(斜め後ろからの光)・逆光」で撮影し立体感を演出します。
❶ 料理写真のアングル
アングルとは?
アングルとは、被写体に対する撮影するカメラの角度のことです。料理写真のアングルを変えることで、料理の見え方・印象がガラリと変わってきます。
- 1. 真上90度
- 2. 斜め45度
- 3. 低め20度
- 4. 水平 0度
1. 俯瞰のアングル ~品数が多い・広範囲な撮影~
真上俯瞰は真上から撮影します。普段見慣れないアングルで素敵な写真が撮れます。料理全体を広く撮影するコトが出来るので、品数が多い時に等に俯瞰で撮影します。
真上俯瞰では空いたスペースがあるとバランスが変な感じになることがあります。なので俯瞰の場合には特に、ランチョンマットやカトラリーや植物などで演出すると栄える写真が撮れます。
2. 高さ斜め45度 ~見慣れた角度で適度な立体感~
食事をする時は斜め45度からのアングルで料理を見ています。普段の食事で見慣れた斜め45度で撮影をすると違和感の無い自然な写真が撮れます。立体感も出やすく料理が美味しいそうに見えます。
正面アングル
高さ斜め45度+横斜め30度の写真
メインを決めた上で高さ斜め45度で、横にも斜め30度程度で撮影された写真、立体感がさらに増しているのと、食事をする際の臨場感のある写真になっています。
断面を活かす場合、サイド光気味で断面に光が当たっていますね。
低めのアングル(ローアングル) ~ボリューム感・立体感~
やや低めの位置からアオリ気味で撮影することで、ボリューム感・立体感が出ます。
高さのある料理の場合に、料理を立体的に写し出すことで、料理のボリューム感と立体感を伝えることが出来るアングルです。
寄って見切れさせる
ある程度寄って、お皿を全て納めないようにして見切れさせると、ボリューム感が増します。料理の全体を見せないことで更にボリュームがあるように演出することが出来ます。下の写真は高く盛り付けたパスタを低いアングルで撮影し、お皿等の全体像は見切れさせています。
萌え断の撮影
低めのアングルでは、太巻き・トルティーヤ・春巻きなどの所謂「萌え断」を演出することが出来ます。
ケーキの断面!
真横のアングル ~ダイナミックな萌え断~
真横だと、よりダイナミックな断面が撮影出来ます。【TODO:写真】
接写での撮影 ~存在感・ダイナミック感・素材感UP~
接写での撮影は、被写体を主役として引き立たせ、存在感とダイナミック感を与え迫力ある写真が撮れます。料理写真では素材感も強調出来ます。
背景のボケを強めることで主役を一層引き立たせます。主役だけを写す意識で!!
ダイナミック感を演出する上では、お皿や料理全体を写す必要はないです。また接写で撮影することでゴチャゴチャした背景を無視することが出来ますので、メインに寄って撮影してみましょう。
接写+低いアングル+萌え断面に光を当てる
低めのアングルで出来るだけ接写すると平坦な料理にも立体感が出てきます。全体を写さず部分的な撮影をします。断面を活かすために、断面に光を当てています。
❷ 料理撮影の構図
構図とは
日の丸構図
最も王道な構図で、被写体を中心に配置しメイン料理を強調する構図です。
但し、料理一品で日の丸構図で撮影すると記録写真のようになりがちです。そのような時は左右どちらかに料理を寄せて、一部見切れるようなC字構図にしたほうが良いです。
写真の余白を検討します、メイン料理をアップで撮影して余白を無くすのか、あえて余白を確保して演出するのか。
C字構図
皿を中心から少しずらし、片方の皿の縁を見切れさせ、他方の皿の縁が『C』字になるように撮影する構図。開いているスペースに、カトラリーや小物を映り込ませます。
スペースに小物を配置したC字構図
S字構図
2つの皿を対角線上に配置し、『S』字になるように撮影する構図。
対角線構図
料理や小物を斜めに配置する構図、奥行きが出て・立体感も生まれて見栄えの良い写真になります。縦横三分割した交点に被写体が写るように配置しましょう。
右肩上がりの構図にする
左方上がりの写真を人は不安定と感じるそうです、右肩上がりの構図は安心感・心地よさを感じらしいので右肩上がりにしたほうが良さそうです。
三角構図
三角構図は、料理や小物を三角で配置した構図です。三角の向きは自由で三角を上下左右斜めに配置して撮影します。安定した写真が撮影出来ます。
背の低いモノを手前に、高いものを後ろに配置するとバランスが良くなります。
俯瞰アングルで三角構図
高さ斜め45度アングルで三角構図
三分割構図
縦横に三分割で引いた線の交点上、もしくは線上に主役の料理や日y佐体の重要な部分を配置する構図です。
交点にものを配置すると見る人の注意を引き立てたり、人が見ていて気持ちの良い写真となります。三分割構図では交点に料理を配置することで、スペースが不均等になり日の丸構図のような単調さが無くなります。
複数の料理を撮影する際に重宝する!
複数の料理をどのように配置していいか迷った時、三分割構造を意識を利用すると良いです、この時に重要なのが「被写体の主役を決めるコト!」です。
- 料理の主役を決める
- 三分割構図の交点や線上に主役を目立つように配置する
メインを決めて撮影しよう!!
日の丸構図は自然とメイン料理が決まると思います。
対角線構図・三角構図や三分割構図では、メイン料理を決めて寄って撮影しましょう。メイン以外は引き立て役として、見切れていたりピントが合わなくても問題ありません。
❸ 焦点距離
焦点距離と料理写真
焦点距離の特徴
焦点距離の広角側・望遠側では、以下の特徴と違いがあります。
- 広角側
手前の料理が大きく見える、周辺が画像が歪みやすい傾向 - 望遠側
後ろの料理が大きく見える、手前の料理とより均等に見える
焦点距離ごとの活用シーン
- 広角側
手前の料理が大きく見えるので、ローアングル気味で1つの被写体に着目し、インパクトのある撮影が可能 - 望遠側
後ろの料理もしっかり撮影したい時など、品数が多く料理メニュー的な撮影が可能
下の写真で、奥に配置した小鉢などが大きく撮影されています。
❹ コントラストを意識する
被写体と背景・小物とのコントラストを付けると被写体が際立ちます。被写体が濃い色なら背景は薄く、被写体の色が薄ければ背景等を濃い色にします。
様々な色を取り入れてみる
演出や料理の彩りで、様々な色を取り入れるとコントラストが多い写真が撮れます。赤・黄・緑・黒・白・茶など様々な色で演出してみましょう。
- 料理を彩り豊にするには ⇒ 赤・黄・緑
- 夏を演出するには ⇒ 青・赤・黄
- 秋冬を演出するには ⇒ 白・茶・黒
❺ しずる感や動きを演出する
動きを演出
ドレッシングやソースをかけている瞬間や、ケーキを切っている瞬間など撮影することで臨場感を演出します。とろける食材では、素材が伸びている瞬間のトロ~リ感を撮影し食欲をそそる演出が出来ます。
箸上げ
お箸、スプーン、フォークなどで料理を持ち上げることで動きを出します。麺料理や料理の中身を見せたい場合に利用します。
フォークで麺上げ
フォークでパスタを持ち上げて切る瞬間も絵になりますね。
ナイフでカッティングする瞬間を切り取る
ナイフで料理を切り分けている瞬間も動きのある写真になります。カットした断面も撮影出来るので萌え断な写真も撮れますね。
飲み物を注いでいる瞬間
ジュースなどを注いでいる瞬間を撮影は、飲み物のフレッシュ感や素材感をを演出出来ます。注いでいるジュースに明るく持ち上がるように光を演出することも重要です。
イチゴにバルサミコ酢をかける瞬間
瑞々しさ・フレッシュを演出
野菜・果物は水滴を付けると瑞々しさを演出できます、サラダやフルーツ盛り合わせを食べる時に細かな水滴を付けてみます。
暖かさを演出
「湯気」を目立たせる
湯気を撮影して美味しさをアピールしたい場合は、湯気が白色なので食器や背景は黒など色の濃い物でコントラストを付けます。あるいは黒画用紙を立てかけるなど工夫します。
また、ライトで湯気に光が当たるようにすると、湯気を目立たせることが出来ます。鍋料理などは湯気の演出が行いやすいです。
- 黒い食器・黒背景(床面・背面)にする
- 半逆光・逆光の位置から湯気にライト(メイン光源とは別に)を当てる
- 三脚を使用してシャッタースピードを遅くする(1/10~1/6秒)
グツグツ沸騰
鍋のグツグツ沸騰している状態も、熱々感を演出できますね。
冷たさを演出
硝子の食器・グラスに付着した水滴などに、光を当ててツヤ感を出す事でヒンヤリ感や冷たさを演出します。スムージーやかき氷など夏に食べたい食材を冷たく演出します。
❼ 演出・小物使い
料理写真をより魅力的にするために、様々な物を使ってテーブルコーディネイトしてみましょう。お気に入りのマットや食器を使ったり、個人的には所有しているバルサミコ酢のガラス容器がオシャレで気に入っています。
ネットではドライフラワーを使った綺麗なテーブルコーデの写真が転がっています。今後、挑戦したいと思っています。
- [敷物]
ランチョンマットやクロス、布を敷いてクシャッとさせるのもオシャレ - [カトラリー]
箸置き・ナイフレスト - [食器]
オシャレなお皿や鍋、おひつ等を写したり - [飲み物]
食事に合わせた飲み物のグラス・コップ - [植物・花]
庭で摘んだ花・植物やドライフラワー - [調味料のビン等]
オシャレなオリーブオイル・バルサミコ酢・塩等の瓶・容器 - [食材]
料理で利用した食材をそのまま置いたり・カットして置いたり
ランチョンマットやクロスなどで演出したり、カトラリーや食器類に拘ったり、箸置きなどの小物や、植物や花などで演出しましょう。
調味料・飲み物のビンやコーヒーや飲み物のコップなどを配置すると、実際に料理を食べているような演出ができます。
以下の写真では、カットした食材(根菜・アボカド)が彩りを与えています。お皿に対して大き目の植物を配置してみるのも有りですね。
素材感
敷物の素材感
容器の素材感
色について
基本:色を拾うこと
敷物の色
皿の色
白い料理は黒や青・緑など、異なる色の組み合わせを基本とします。
色相間の補色(反対側の色)の組み合わせは互いを引き立てて、互いの彩度を引き立て鮮やかに見せる効果があります。
- 白い食器で、明るい写真!
- 黒い食器で、高級感を!
- 同じ色のお皿で統一感を!
- 同じ形のお皿で統一感を!
植物の色
角度と見切れ
小物・カトラリー・コップの取っ手・布は、ちょっとした角度の調整で印象がかわります。お皿・植物・布やカトラリーは上手く見切れさせることで、商品説明のような写真ではなく日常を切り取ったような写真になります。
不自然な角度や見切れを排除するよう意識します。
料理・その他被写体の配置
❽ 光の当て方
ツヤを出す場合は半逆光
ソースが掛かった料理やパスタ、瑞々しいフルーツなどで、「照り」・「ツヤ」を演出できるのが半逆光です。
料理を美味しく撮影するポイント「立体感」「ツヤ・照り」
半逆光では立体感も出てきます。
立体感を出したい場合はサイド光
サイド光では、影を作りやすく明暗のメリハリが効いて、立体的な写真が撮影可能です。ツヤは抑えられるのでパンなどはサイド光で撮影します。
❽ 料理写真の適正設定
焦点距離
料理の写真が撮りやすい焦点距離は『50~90mm』位です。焦点距離50mmが標準レンズの焦点距離であり、普段見ている時と同じくらいです。
余計なものがゴチャゴチャしていない、品数が多くて広く撮影したい場合は、30mm程度の広角寄りでも撮影可能です
シャッタースピード・ISOで明るさ調整
手ブレの発生を抑えることのできる目安のシャッタースピードとして、『1/(焦点距離)秒』となります。焦点距離50mmの場合は、1/50秒が適切なシャッタースピードです。
明るくするために、ISO感度を上げて画質を悪くしたくないので、暗い場合は三脚を利用してシャッタースピードを遅くして明るさを稼ぎます。
ISO感度の目安とか
晴れた日の窓際で光が良く入る場合はISOは100程度にしたり、暗めの室内ではISO1000以上にすることもあります。
ヒストグラムで明るさ確認
理想的なヒストグラムは、グラフの山が左右バランス良くなり左右の端は0になること。
料理撮影のF値(ボケ感)を調整
写真のボケ感の調整をします。
料理写真のF値はF2.8~F9程度まで、背景をぼかす場合はF2~F6辺り(F5-F6辺りが適度なボケ感で扱いやすいと思います)で撮影する。
- 背景をしっかりボカす :F2~F3
- 背景を適度にボカす :F5~F6
- 料理全体をはっきり撮影 :F8~F9
ホワイトバランスを調整
写真の色味の調整をします。
料理撮影では色温度6000(曇りや日陰)を目安にすると良いです。
- 晴天 = 被写体の色を自然に再現します
- 曇天・日陰 = 少し赤みが加わります、料理は少し赤みがあるほうが美味しく見えます
ホワイトバランスの確認は、画像の中にある白い部分を見て青み/赤みの確認をします。
暖かい料理は暖かみのある色味で、冷たい料理や飲み物は青みを足す調整をします。
接写で撮影したいが被写体に寄り切れない時
物撮り撮影(参考)
物撮りで商品をしっかり映し出す必要がある場合は、焦点距離は80~105mmあたり、絞りはf/9前後で撮影します。
❾ 料理撮影の失敗例
コントラストが弱すぎる
コントラスト弱すぎで被写体が浮き上がらない例。薄い茶系背景に薄い茶系の被写体で、被写体が浮き上がっていないです。
コントラストが弱い場合は、皿や敷物でコントラストを強めるようにします。
同系色の背景・被写体
「濃い背景色」は難しい
濃い茶系でもコントラストが弱いです。
そもそも濃い色の背景は、「被写体に色が移ったり」・「被写体を目立たなくさせてしまう」傾向があるので、淡い色合いの背景にしたほうが撮影しやすいですね。
ブラックミストで光が柔らかくなりすぎ
明るくしようとして、三脚固定でシャッタースピードを遅めに撮影した時のミス。
ブラックミスト系のフィルターをはめていると被写体のしっかり見せたい部分がフワッと柔らかくなりすぎてしまう。
光が柔らかすぎる場合は、通常のフィルターに変更します。
また、コーティングされた艶のあるテーブルが光ってしまっています。背景としては色も濃いので、うまく撮影出来ない時は、布・紙で背景を作ったほうが良いですね。白系だと光を乱反射して写真を明るくできるかも?
「半順光」で撮影しているのも課題かも、「半逆光」を徹底してみようと思います。
あとは、シャッタースピードを遅くして明るさを稼ごうとすると全体的に白っぽくなり色が際立たないのかなぁ~。
マニュアル撮影⇒Aモードに切り替える
普段マニュアルモードで撮影している場合に、どうしてもキレイな写真が撮れない時は、Aモード(絞り優先)での撮影に切り替えてみます。
Aモードは、プロの人でも利用しているモードで迷ったらこのモードにしておけば良いかなと思います。
❶Aモードに変更
❷F値を調整してボケ感を調整する
❸ 明るさ補正を行う(+/ー)
❹ 色味(ホワイトバランス)の調整をする
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